不快感で満ち溢れている

フィクションかもしれません

最高に夏のお知らせ

雨が降るか降らないかの手前。Tシャツが貼り付く、これは皮膚呼吸がうまくできていない証拠。木曜日の夜は来たる週末に向けて、みんなちょっと生き生きしだす。早速、終電間際まで騒いできた大学生の男子と後輩らしき女子。冷房のまだつかない無能な電車で、人と隣り合わせに座るなんて地獄だよね。目の前に並んで座る2人の間にはまだ越えられぬ空気。でも端に座る巨体が大股広げているおかげで、2人の太ももは車両が揺れるたび触れ合い、くっつく。唇噛んで寝たフリする男子。スマホに触れる指だけ忙しく、何事もないかのような素振りの女子。かすり合ってたお互いの足が、やがてピタリと張り付く。ああ、最高に夏のお知らせ、ありがとう。ベタつく肌が触れ合うなんて、こんな下品なこと耐えられないよ。わたしはここで降りるけど、きみたち、夏こそ慎重にな。