不快感で満ち溢れている

フィクションかもしれません

渋谷から逃げらんない

相変わらずだらしない街だよ。邪魔くさい熱気だよ。ツタヤの前は運命を求める人間ばかり。我こそが今宵の主役とエッジィな服が並ぶけど、抜けない顔のあどけなさ、水っけのない黄土色の髪の毛ばかりよ。いつまでたってもバブルの余韻が抜けない土壌。権力で育ってきた街。ここに居座るものは無知で従順な民だな。幼稚園の帰り、母親の手を握りしめて通った道玄坂も。遠くから来た祖母の腕を引っぱり歩き回った公園通りも。教師と警官の目をすり抜け、制服であぐらをかいてた宮下公園も。この街のコンクリートを何回踏んだことか。むき出しのエゴで溢れたこの街しかわたしは知らない。地下鉄にでも乗って新しい庭を作りに行けばいいのに、結局いつもここに来てしまう。どうしようもなくやってられないときは、明治通りで信号を待つ人間に抱きつきたくなる。円山町らへんの猥雑な雑踏にもまれたくなる。思い出なんか作ろうとしなくても生まれてしまうこの街で、一生さ迷い続けるのか。自分のだらしなさを知らぬ人間に重ねることしかできないのか。わたしはどうしようもなく哀れな人間です。